Rokkys diary

日常をエッセイに

活字離れ

    日本人は年々、本を読まなくなってきている(らしい)。この傾向は、日本だけでなく世界的なものであるかもしれない。
    私は時代に逆行するように、歳をとるにつれ本を読むようになった。小さい頃なんかは絵本でさえ読むのにさえ抵抗があった。大体文字がきらいだった。この理由は文字をつなげ文章として頭の中で理解することが苦手だったからであった。私は文字を避け、絵が書いてあるページだけ、パラパラ漫画のように高速で見ていた覚えがある。
    私は小学校に入っても本は全然読んでなかった。教科書しか読んでなかったである。低学年の頃は教科書を読んでも、何が書いてあるか、さっぱりわからなかった。
    そんな私が本を読み始めたのは、小学校三年生か四年生の頃だ。その頃、星新一ショートショートに出会った。話も短編で読みやすく、オチも考えられていて読みやすかった。学校の朝礼の後、15分ほど本を読む時間をもうけられていたので、そこで読むには丁度いい長さだった。
    そして、小学校高学年になると、山田悠介の本に出会った。リアル鬼ごっこアバターなどドラマ化、映画化されるほど人気がある作家さんで、ホラー小説を得意に書いていた。そこで、私はパズルという本に出会った。                

    日本でも有数の進学校にある日、覆面の男達が入り込み、先生を人質に潜伏した。人質を解放するには、学校に隠されたパズル2000ピースを24時間以内に見つけ出さなければならなかった。果たして、生徒はパズルを全て探しだせるのか、犯人の目的は何なのか、サスペンス要素も含まれた本だ。その後、山田悠介の本にハマり、リアル鬼ごっこ以外の本をほとんど読んだ。(リアル鬼ごっこは映画化され、大体の話はみんな知っていたので、読む気にならなかった)
     長い小学校生活が終わり、中学校に上がると、本をあまり読まなくなった。かろうじて本を読んでたのは、朝もうけられた読書タイムの時間だ。その時間に銀魂の小説を読んで、一人で笑いを堪えてひくひくと体を震わせていると、隣の女子が鋭い眼光でこっちを見ていていて申し訳なくなった覚えがある。(あの時は、悪いと思ったが、空知先生が面白い本を書くからしょうがないと思う)当時は部活も忙しかったし、PSPモンスターハンターで友達と狩りに出かけていたので、本を読むどころではなかった。とにかく、その当時は本を読むことより面白いことが周りに多くあった。毎日アホなことをやれるクラスメイトにも恵まれ、どうやったら毎日が面白くなるか、そればかり考えていた。
    本を本格的に読むようになったのは高校に入ってからだ。理由は、市外の学校に入学したため寮に入ったのだが、自室にテレビがなく暇だったからである。まず手始めに、ハリーポッター全シリーズ読んだ。話は映画を見ていたので、あらかじめわかっており、頭の中で登場人物を想像するのが容易であった。何故かテスト期間に読みたくなり、勉強をする息抜きとしてよく読んでいた。(ある時期はテスト勉強より、本を読んでいた時間の方が長かったと思う)その後は、司馬遼太郎有川浩村上春樹東野圭吾西加奈子百田尚樹等、著名人の本を読んでいった。英語の先生の授業中、席の後ろで堂々と読んでいて、見つかると、この本面白いよとオススメしていた。寛大な先生だったので怒らなかったが、そこはある程度見ていいか判断していた。(先生ごめんなさい。)
    そして、いつしか本は自分の心の汚れを洗うフィルターの役割をし、空想の世界を私を誘い、嫌なことを読んでいる間は忘れることができた。母は読書家で、私が本を読むようになると、喜んでいた。小さい頃の私は母が勧めた本をことごとく拒んだから余計だった。父もよく寝る前に本を読んでおり、本屋に行くと、何でも買ってくれた。本は出会いだとよく言っていて、外出した際は好きた本を何冊でも買ってくれた。父が本を買ってくれたことは嬉しかったし、自分も親になった時にやろうと思う。
     そして、今では、年に100冊以上の本を読むようになった。読むジャンルもビジネス書、哲学書、洋書等幅広くなった。死ぬまでに読める本は限られているが、生きているうちにいい本と出会い、本を好きな人と語り合えたらと思う。
     これから、KindleiBook等、スマホで本を読める時代が来て、文庫本としての本が消えて行くかもしれない。しかし、私は紙に印字された本の存在が消えるまで、たとえ最後の一人となっても本を読んでいきたいと思う。
    そんな本の虫となった私は、ベッドに置いてある本を一冊手に取り、瞼が重くなるまで読んでいるのだった。

 

私のオススメ本

・握る男 著者 :原宏一

ある寿司店で働いていたゲソは寿司業界を牛耳るドンとなる。その部下、主人公の金森と共にあらゆる手を使い、題名のごとく色んな人の金タマを「握る」。権力を手にした後、何が待っているのか。考えさせられる作品。

・砂の王国 著者 :萩原浩

信教宗教、大地の会を設立した主人公が劇的に成功し、全てがうまくいっていると思われた。しかし、後半思いもよらぬことに…。嘘をついていくとどうなるか。身にしみる作品。

下町ロケット 著者:池井戸潤

池井戸さんが直木賞を獲得した作品。中小企業の社長佃と社員は共にロケット🚀バルブを開発。そこに問題が発生し、大手企業も参入し佃製作所の運命は?!エンジニアになる人もならない人も読んで欲しい。

・朝が来る 著者:辻村深月

子供が欲しいけど、なかなか子供ができない夫婦はある養子支援を頼り、養子を引き取る。平和に暮らす夫婦に一本の電話が。「息子を返して欲しい」と子供を産んだ母親と名乗る人物からだった。子供を産む母親の年代が上がってきている日本。子供について考えさせられる作品。

阪急電車 著者:有川浩

この話が一番面白いのは、読み手の視点が変わること。阪急電車の着いた駅で、視点が切り替わり、主人公が変わる。日常にあふれた人達の何気ない物語。有川先生流石。

・サラバ 著者:西加奈子

西加奈子さんの本の中で一番好き。エジプト編と日本編がある。作者が少しの間中東で生活していたため、細かく書かれており、自分も一緒にエジプトへ行った気持ちになれる。自分が信じられるものは何か?考えさせられるストーリー。また、ストーリーの始まりの最初の一行が好き。

・学生時代にやらなくてもいい20のこと

    著者:朝井リョウ

本読むの嫌い。学校の読書時間が何読もうかな?大学思ったよりも暇だな。という方にオススメ。何者、何様で一世を風靡した朝井リョウの本の中で私はこの本を押す。若者の視点で、ユーモアに作者の実体験を元にした話。天才、朝井リョウ。最高。

・手紙屋 著者:喜多川泰

就活生によくオススメされている本。手紙屋と名乗る人物は10通手紙を交換すると夢を叶えてくれるというなだが…。自分がしたいことが何なのか?手紙屋は誰なのか?考えさせられる話。

・色彩の持たない多崎つくると彼の巡礼の年

    著者:村上春樹

村上春樹の本キライ。という方にあえてオススメ!自分が村上さんの本で一番最初に買った本。自分の中で一番好きな本。

主人公多崎つくるは、高校時代アカ、アオ、シロ、クロの色のつく人達と名古屋で出会い、いつも行動していた。5人は1つの共同体みたいにつるみ、仲良くしていた。大学はつくるだけ東京に行った。ある日、つくるが名古屋に帰省すると、皆と連絡がとれなくなり、4人からハブられてしまった。なぜ自分だけ外されたのか理由が分からないつくるはショックを受け、自分を死の淵まで追い込んでしまう…。

それから約20年後。1人の女性を好きになるが、20年前の出来事が原因でうまくいかない。そこで、つくるは20年前自分が外された理由をアカ、アオ、シロ、クロに聞きに行こうとする。衝撃の展開。色彩を持たないつくるの劣等感。電車好きなところ。自分と重なる部分があって、嫌なことがあったり、一服したいときに読む本。心が浄化され、また明日頑張ろうと思える。これからも本を大切にする。

・Wonder 著者:R J Palacio

最後は洋書。映画化もされた児童書で、日本語にも翻訳されている。英語の勉強にもなるし、何せ話がいい。

主人公、オーガストは生まれつきの障害で顔が変形しており醜い顔をしていた。そんな自分が嫌で学校に行くことを拒んでいた。家族の支えもありなんとか学校に通うが、色々と事件が起こる。小学生あるある満載で、逆境にも負けない、ユーモアもあり理科が得意なオーガスト。最後には涙してしまういい話。海外の児童書凄いな。

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